
パートナーとの離婚を考え始めたとき、真っ先に頭をよぎるのは「これからのお金のこと」ではないでしょうか?
特にお互いの話し合いで解決しそうにない場合、プロである弁護士さんに頼りたいけれど、その費用は決して安くありませんよね。
「そもそも相手が原因で離婚するのに、なんで私が高いお金を払わなきゃいけないの?」
「相手に全額払ってもらうことはできないのかな?」
そんなふうにモヤモヤしてしまうのも、当然のことだと思います。
実は、ネットやSNSを見ていると「弁護士費用は相手に払わせた!」という声を聞くこともありますが、日本の法律にはしっかりとしたルールがあるんですよ。
納得のいく再出発を切るためには、まず「何ができて、何ができないのか」を正確に知ることが第一歩です。
この記事では、気になる離婚の弁護士費用を相手に請求できるのかどうか、その真実をわかりやすく解説していきますね!
読み終わる頃には、あなたの不安が少しでも軽くなっているはずですよ。
離婚の弁護士費用は原則として自己負担なんです!
結論からお伝えしますね。
残念ながら、日本の法律実務では離婚の弁護士費用は原則として「自分で払うもの」とされているんです。
たとえ相手が100%悪くて離婚することになったとしても、あなたが依頼した弁護士さんの費用を「相手に全額肩代わりさせる」ということは、基本的にはできない仕組みになっています。
驚かれた方も多いかもしれませんね。
「えっ、そんなの不公平じゃない?」と感じるのも無理はありません。
ですが、実はこれには「自己責任の原則」という考え方が関係しているんです。
どんなに正当な理由があっても、誰を味方につけて、どんなふうに戦うかを決めたのは自分自身ですよね?
そのため、その対価である弁護士費用も、依頼した本人が負担するのが日本のスタンダードなんですよ。
まずはこの「原則は自分持ち」というポイントを、しっかり心に留めておいてくださいね。
なぜ弁護士費用を相手に請求できないのでしょうか?
「相手が浮気したのに!」「暴力を振るわれたのに!」と、納得がいかない気持ち、本当によくわかります。
それでもなぜ、裁判所は相手に全額を負担させてくれないのでしょうか?
そこには、日本の裁判制度ならではの理由がいくつかあるんです。
少し詳しく、その背景を紐解いてみましょう。
日本は「敗訴者負担」を採用していないから
よくドラマなどで見るアメリカの裁判だと、負けた側が勝った側の弁護士費用を全部払うシーンがありますよね。
ですが、日本ではそのような「敗訴者負担制度」は採用されていません。
これには理由があって、もし「負けたら相手の分まで払わなきゃいけない」となったら、怖くて誰も裁判を起こせなくなってしまいますよね?
国民が裁判所を利用しやすくするために、あえて自分の費用は自分で持つというルールになっているんです。
最高裁判所の判決(令和3年1月22日など)でも、訴訟のために支払った弁護士費用は、たとえ裁判に勝ったとしても原則として相手に損害賠償として請求できない、という考え方が確立されています。
これは離婚問題に限らず、日本の民事裁判全体に共通する大きなルールなんですよ。
「訴訟費用」と「弁護士費用」は全く別物なんです!
ここでよく混同されがちなのが、「訴訟費用」という言葉です。
裁判の判決文で「訴訟費用は被告の負担とする」なんて書かれることがあるので、「あ、弁護士代を払ってもらえるんだ!」と期待してしまう方が多いのですが、実はこれが大きな落とし穴なんです。
実は、訴訟費用とは「裁判所に納める印紙代や切手代」のことを指します。
弁護士さんに支払う着手金や報酬金は、この訴訟費用には含まれないんですよ。
「訴訟費用」が相手持ちになったとしても、戻ってくるのは数万円程度の事務手数料だけ、というケースがほとんどなのは驚きですよね。
【注目】例外として相手に請求できるケースがあるんです!
「じゃあ、絶対に1円も請求できないの?」と言われると、実はそうではありません!
ここからが大切なポイントなのですが、特定の条件を満たした場合に限り、弁護士費用の一部を相手に請求できるチャンスがあるんです。
それはどんな時かというと、不倫(不貞行為)やDV、モラハラといった「不法行為」に対する慰謝料請求を行うときです。
ここからは、その例外的なルールについて詳しく見ていきましょう!
不法行為に基づく慰謝料請求の裁判で勝訴した場合
相手の不倫や暴力が原因で、精神的な苦痛を受けたとして「損害賠償(慰謝料)」を求める裁判を起こしたとします。
その裁判で、裁判所が「確かにこれはひどい不法行為だね」と認めてくれた場合、認められた慰謝料の額にプラスして、「相当な弁護士費用」として、慰謝料額の10%程度を上乗せして認めてくれることがあるんです!
例えば、こんなイメージです。
- 裁判所で認められた慰謝料:300万円
- 認められる弁護士費用(10%):30万円
- 相手に請求できる合計額:330万円
このように、損害賠償の一部として弁護士費用を認めてもらえる場合があるんですね。
「全額ではないけれど、少しでも足しになる」というのは、大きな救いになるのではないでしょうか?
なぜ10%程度しか認められないの?
「えっ、たったの10%?実際にかかる費用はもっと高いのに!」と思いますよね。
実は裁判所は、弁護士に依頼するかどうか、どのくらいのランクの弁護士に頼むかは本人の自由だと考えています。
そのため、「相手に責任を取らせるとしても、その不法行為と直接関係があると言えるのは、だいたい1割くらいだよね」という判断が一般的になっているんです。
不条理に感じるかもしれませんが、これが今の日本の裁判実務のリアルなんですよ。
「離婚自体の費用」は請求できないので注意して!
ここ、とっても重要です!
相手に請求できる可能性があるのは、あくまで「不法行為に対する慰謝料」に関わる部分だけなんです。
つまり、「離婚すること自体(親権争いや財産分与の話し合いなど)」にかかる弁護士費用は、たとえ裁判になっても相手に請求できません。
もし、不倫などは一切なくて「性格の不一致」だけで裁判になった場合は、この10%の上乗せすら認められないのが通常です。
「不法行為があるかどうか」が、請求できるかどうかの運命の分かれ道になるんですね。
請求を認めてもらうには「確実な証拠」が欠かせません!
「不法行為があるから10%上乗せできるはずだ!」と思っても、それを裁判所に認めてもらうには客観的な証拠が必要です。
最近の実務では、以下のような証拠の有無が弁護士費用の請求可否に大きく影響します。
- 不倫の場合:不貞行為がわかる写真、LINEやメールの履歴、ホテルの領収書など
- DVの場合:怪我の部位がわかる写真、医師による診断書、警察への相談実績など
- モラハラの場合:暴言の録音データ、詳細な日記やメモなど
証拠が不十分だと、そもそも慰謝料自体が認められず、結果として弁護士費用の上乗せもゼロになってしまいます。
「相手が悪い」ことを証明することが、結果的にあなたの費用負担を減らすことにつながるんですよ。
具体例でチェック!私のケースは相手に請求できる?
さて、ここからは読者の皆さんがイメージしやすいように、よくある3つの具体例を挙げて解説していきますね。
ご自分の状況に当てはまるものがあるか、一緒に見ていきましょう!
ケース1:相手の不倫が原因で裁判になった場合
旦那さんの浮気が発覚し、確実な証拠を持って裁判を起こした A さんのケースです。
裁判所は「旦那さんの不貞行為によって婚姻関係が破綻した」と認め、慰謝料200万円の支払いを命じました。
このとき、Aさんは「弁護士費用も損害だ」と主張しました。
その結果、慰謝料200万円に加えて、その10%にあたる20万円が弁護士費用として上乗せされ、合計220万円を旦那さんに請求することができたんです!
全額ではありませんが、Aさんにとっては大きな勝利ですよね。
ケース2:性格の不一致で離婚調停を行い、成立した場合
お互いの価値観が合わず、弁護士を立てて離婚調停を行った B さんのケースです。
3ヶ月の話し合いの末、無事に離婚が成立しました。
Bさんは「弁護士さんへの着手金がかかったから、半分くらい相手に払ってほしい」と調停委員さんに相談しましたが、結果はNO。
調停はあくまで「話し合い」の場であり、相手が「いいよ、払うよ」と自発的に言わない限り、弁護士費用を無理やり相手に負担させることはできないんです。
結局、Bさんは自分の弁護士費用は全額自分で支払うことになりました。
ケース3:ひどいDVを受けて損害賠償を請求し、和解した場合
奥さんからの暴力に耐えきれず、裁判を起こした C さんのケースです。
裁判の途中で、裁判官から「このあたりで手を打ちませんか?」と和解の提案がありました。
和解案の内容は「解決金として150万円を支払う」というもの。
Cさんは弁護士費用も含めたかったのですが、相手側が「150万円以上は1円も払わない」と突っぱねました。
和解は双方が納得して終わらせる手続きなので、判決のように「10%上乗せ」が自動的に決まるわけではありません。
Cさんは、長引く裁判の精神的負担を考え、弁護士費用の請求を諦めて和解を受け入れました。
調停や和解では、弁護士費用の請求はかなり難しいのが現実
具体例でも少し触れましたが、実はここが一番の落とし穴なんです。
多くの離婚問題は、裁判の最後まで行かずに「調停」や「和解」で決着がつきますよね。
そうなると、たとえ不倫などの不法行為があったとしても、弁護士費用を相手に払わせることは、実務上ほとんど不可能だと言われています。
なぜなら、相手も「自分の弁護士費用」を払っているからです。
「お互い様だから、自分の分は自分で払おう」というのが、和解における暗黙のルールになっているんですよ。
「どうしても弁護士費用を上乗せしたい!」と強く願うなら、判決まで戦い抜く覚悟が必要になります。
ですが、判決まで行くと時間がかかり(1年以上になることも!)、その分、追加の弁護士費用が発生したり、精神的に削られたりすることも……。
「弁護士費用をもらうために、さらに高い弁護士費用を払う」という本末転倒な事態にならないよう、賢い選択が必要ですね!
「それでも費用が心配……」そんなあなたができる3つの対策
「原則自己負担なのはわかったけれど、やっぱりお金が心配」という皆さん。
安心してください!
相手に請求する以外にも、賢く費用を抑えたり、無理なく支払ったりする方法はちゃんと用意されているんですよ。
代表的なものを3つご紹介しますね。
1. 法テラス(日本司法支援センター)を活用する
経済的に余裕がない方を助けてくれる心強い味方、それが「法テラス」です!
一定の収入や資産の基準を下回っている場合、弁護士費用を法テラスが立て替えてくれる制度があるんですよ。
しかも、月々5,000円〜といった少額の分割払いで返済していけるので、まとまったお金がなくても弁護士さんに依頼できるのが最大のメリットです。
「今の貯金じゃ足りない……」と諦める前に、まずは法テラスの利用ができるかチェックしてみてくださいね。
2. 弁護士費用保険(特約)をチェックしてみる
最近増えているのが、自動車保険や火災保険に付帯している「弁護士費用特約」です。
基本的には交通事故などのためのものが多いのですが、中には「離婚」や「ハラスメント」などの日常のトラブルに対応している保険もあるんですよ。
ご自身やご家族が入っている保険の契約内容を、一度隅々まで見直してみてください。
「えっ、これで払えるの!?」という嬉しい発見があるかもしれませんよ!
3. 交渉のカードとして「慰謝料」や「財産分与」を増やす
相手に「弁護士費用を払って」と言っても拒否されることがほとんどですが、戦略を少し変えてみましょう。
「弁護士費用という項目」で請求するのではなく、「慰謝料や財産分与の額を上乗せして、結果的に弁護士代をカバーする」というやり方です。
例えば、「本来の慰謝料は200万円だけど、弁護士費用がかかるから250万円にしてくれたら、今日この場で和解に応じます」といった交渉ですね。
これなら、相手も「早期解決のためなら……」と応じてくれる可能性が高まります。
このあたりの駆け引きは、ぜひ弁護士さんに相談してみてくださいね!
よくある疑問:アメリカみたいに全額請求できないのはなぜ?
さて、ここで少し視点を変えて、読者の皆さんが抱きやすい疑問にお答えしますね。
「でも、やっぱり納得いかない!アメリカみたいに負けたほうが払うべきじゃないの?」という声です。
実は日本でも、過去に「敗訴者負担にすべきか?」という議論が何度もされてきました。
ですが、結果として採用されなかったのは、「弱者を守るため」という側面が強いんですよ。
もし敗訴者負担が導入されると、例えばあなたが大企業やお金持ちの元夫と戦うとき、「もし負けたら、相手の超高級な弁護士費用まで払わなきゃいけないの?」と恐怖を感じてしまいますよね。
そうなると、泣き寝入りする人が続出してしまうかもしれません。
「誰でも安心して自分の正当性を主張できるように」という願いが、この「自分の分は自分で払う」というルールに込められているんです。
そう考えると、少しだけ今の制度の見え方が変わってきませんか?
まとめ:離婚の弁護士費用と向き合うために
ここまで、離婚の弁護士費用を相手に請求できるのかどうかについて詳しくお話ししてきました。
大切なポイントをもう一度整理してみましょう!
- 原則:日本の法律では、弁護士費用は自己負担(自分で払う)が基本ルールです。
- 例外:不倫やDVなどの「不法行為」で裁判になり勝訴した場合は、慰謝料の10%程度を上乗せ請求できることがあります。
- 注意:調停や和解で終わる場合は、相手が合意しない限り弁護士費用を払わせることは難しいのが実情です。
- 対策:「法テラス」の立替制度や、慰謝料額の交渉によって、実質的な負担を減らす工夫をしましょう。
いかがでしたでしょうか?
「全額相手に払わせる」というゴールは難しいかもしれませんが、「損害賠償の一部として10%をもらう」ことや「交渉で有利な条件を引き出す」ことは十分に可能です。
何よりも大切なのは、お金のことで立ち止まって、あなたらしい未来を諦めてしまわないこと。
「弁護士費用は自分への未来への投資」だと捉えて、プロの力を賢く活用する道を探してみてくださいね。
新しい人生への一歩を踏み出すあなたへ
離婚を考え、弁護士費用について調べている今のあなたは、きっと心身ともにとても疲れている時期だと思います。
「相手のせいでこうなったのに、お金まで……」と悔しい気持ちでいっぱいになるのも、無理はありません。
その怒りや悲しみは、決して間違ったものではないんですよ。
ですが、もし弁護士費用がネックになって解決を先送りにしているのなら、勇気を出して一度、弁護士さんの無料相談に行ってみることをおすすめします。
最近は初回相談を無料で受けてくれる事務所も多いですし、費用の支払い方法についても親身になって相談に乗ってくれます。
一人で抱え込んで悩んでいると、どうしてもネガティブな方向にばかり考えてしまいがちですが、専門家のアドバイスを受けることで「あ、意外と大丈夫かも!」と道が開けることが本当によくあるんです。
お金の不安をクリアにして、あなたが一日も早く心穏やかに過ごせる日が来ることを、心から応援しています。
一歩踏み出したその先には、きっとあなたらしい、明るい笑顔の毎日が待っていますよ!
大丈夫、あなたは決して一人ではありません。
頼れるところをしっかり頼って、前を向いて進んでいきましょうね。